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  人工分蜂の手順   
 

このページでは 春の分蜂期に出来る自然王台を利用しての
人工分蜂の手順を紹介します。

これは、私がやっている人工分蜂の手順です。
この方法以外にもいろいろな方法があると思います。
他サイトも検索して、参考にして、最終的に、自分なりの方法を見つけてください。

巣枠式で飼育している場合、人工分蜂は決して難しい技術、作業ではありません。
是非挑戦してみてください。
成功率はおおむね8〜9割です。

人工分蜂の動画は⇒こちら
 


   人工分蜂の時期

人工分蜂の時期は、春の分蜂期にミツバチが自然王台を作る時です。
春の分蜂期に人工分蜂したものは、順調に成長すると、
秋までに大群になり、十分な蜜が採蜜できて、十分な越冬用の蜜も確保でき、
給餌無しで越冬できます。

その他の時期でも、王台を作り分蜂するときもありますが、
こまめに内検をしていないと、王台のができているのに気づかないでいることが多いです。
特に、夏の暑い時期の人工分蜂の作業は苦痛です。
夏の分蜂群は、冬までに越冬に足りる貯蜜と、蜂数の増加が、間に合わない場合もあります。

人工分蜂は気温も高くなく、蜜源花が多い春の時期にするのが適当です。
 
   
 
   自然群が分蜂する時期と同時期に、飼育群も分蜂しますので、
人工分蜂もその時期ということになりますが、飼育群の分蜂が多少(1週間ほど)早くなることもあります。

新潟地方では、ソメイヨシノが開花して1週間〜3週間ほどで雄蜂がたくさん出てきます。
そうなると、巣箱内では確実に王台ができています。
ソメイヨシノ開花から3週間〜4週間後に分蜂します。

飼育地域のサクラの開花時期、分蜂時期、雄蜂の出現状況などから判断して、内検してみてください。
こまめに観察して分蜂時期を把握すると、翌年からは内検を大幅に省略できます。
ソメイヨシノ開花直前の観察動画は⇒こちら
 
   ソメイヨシノ開花1週間後
ソメイヨシノ開花1週間後、分蜂2週間前の巣門の様子。
黒くてずんぐりした、眼の大きな蜂(雄蜂)の姿が急に増え始めました。

巣箱を開ける

巣板の様子
分蜂2週間前の巣箱を内検。
巣枠はミツロウで巣箱本体に接着しているので、薄い刃のナイフ(私はケーキ用のパレットナイフを使用)等で切り離しています。

初めての場合、以外に切り離しに手間取りますが、あわてないでゆっくり作業をしてください。
この時期、逃去することはありません。
巣枠の様子をじっくり観察してください。

育児圏ではほとんど雄蜂が生産されています。
巣枠下部では王台が育成開始されていますが、画像ではわかりにくいです。





























商品画像は楽天市場のショップにリンクしています

 
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価格:1,228円(税込、送料別)

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   ソメイヨシノ開花3週間後

分蜂直前の王台

拡大
人工分蜂の適期
ソメイヨシノ開花3週間後の巣枠。
下部に王台が完成して、出房間近の状態です。
この状態だと、3〜4日後には出房(羽化)ですので、1〜3日後までには分蜂するでしょう。
この状態で人工分蜂します。
動画をUPしました⇒こちら

※下の画像は同時期の別の王台を切り離したものです。
王台の頂部が画像のようになったら、羽化間近です。
人工分蜂適期です。

1枚の巣枠に1〜4個ほどの王台ができていますので、王台の付いた巣枠を蜂の付いたまま新しい巣箱に入れます。新しい9枚入りの巣箱に上画像のような巣枠3枚ほどを入れてやり、後は空の巣枠を6枚入れます。

9枚群の場合3群に分けることができます。
巣枠2枚でも大丈夫でしょうが、働き蜂が多いほどその後の成長が早く、秋の採蜜も多くなります。

ひとつの巣箱にしっかりした王台がひとつあればよいのですが、
ひとつの巣箱に複数の王台があっても、自然淘汰で1匹の女王が残るので、
王台の整理ができなくても問題ありません。
そこらへんは、ミツバチに任せておいて大丈夫です。

旧女王は産卵能力が落ちますので、見つけたら排除してもかまいませんが、
かわいそうな場合は王台のない巣枠と一緒に新しい巣箱に飼育しましょう。

旧女王が見つけられなかった場合でも、王台付きの巣枠を入れて分けてやると、
ほとんど順調に成長します。
※旧女王と、王台が付いた巣枠を一緒にした場合、その巣箱は新女王羽化前に分蜂する場合があります。そこらへんは神経質にならずに、おおらかに見守り、観察しましょう。

私は、今まで飼育していた古い巣箱は、一度空にして掃除をして、日光消毒をしています。
古い箱にそのまま飼育を続けると、スムシ害の発生が多くなるなどの不具合が起きやすいです。

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   人工分蜂の作業は、春の分蜂時期が気温も適温で、面布を被っても暑くないのでよろしいのですが、
7月以降は、暑くなるのでミツバチを操作する作業全般がおっくうになります。
特に2010年のように猛暑の夏は、観察するだけで、何も操作していません。しようと思ってもできないくらい暑い夏でした。

面布を被るような作業は、快適に作業ができる季節にしたいものです。

※上記の手順は私の行っている手順です。以後、改良を重ねて更新してゆきます。
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